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2021.1113(土)映画『凱歌』上映会 &トークセッション @ 藤枝シネ・プレーゴ [ハンセン病のこと。]

2021年11月13日(土)13:30〜16:00、藤枝シネ・プレーゴにて、
「映画『凱歌』上映会 &トークセッション」が行われました。
このイベントは、藤枝市の生涯学習課が主催して行うもので、
「ごきげんぱらぽん4」では、事前の告知や記録など
お手伝いさせていただきました。
その記事は、こちらこちらこちらこちら
いよいよ当日。この日も記録のために撮影とブログ掲載の許可をいただきました。

「藤枝シネ・プレーゴ」ロビーの特設受付です。
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藤枝市生涯学習課の方々が、対応なさっていました。
この上映会は入場無料なのですが、事前申し込み制です。
ぱらぽんも申し込んでいたので、チケットが送られてきました。
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受付にて、こちらを提示して、入場しました。

この日使われるスクリーンは、7番スクリーンです。
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「藤枝シネ・プレーゴ」では、最大のスクリーンです。
定員は268人、申し込み先着順でした。
前日の情報では、満員御礼になったとか。

さあ、入りましょう。
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入っていくと、いくつかの資料が配られました。
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厚生労働省「ハンセン病の向こう側」
国立ハンセン病資料館「国立ハンセン病資料館」
          「知ってほしい、ハンセン病のこと。」
          「キミは知っているかい?ハンセン病のこと。」

粋な計らいで、「山内きみ江」さんの著書・五行詩「ありのまま」
のプレゼントもありました。
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上映会の時間に制約があったので、チケットの半券からチョイスされ、
当選された方に直接お渡しするスタイルが取られていました。
この本は、藤枝市立図書館で借りることができますよ。

さて、会場内の様子です。
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この日の席は自由席。
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次々とお客様が入られて、会場はほぼ満席になりました。

そうこうするうちに、開始時間になりました。
劇場のスクリーンに映し出されたのは、こちら。
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この日のMCを務めるフリーアナウンサーの「島田真梨子」さん(写真左)と、
藤枝市の教育長「中村禎(ただし)」さん(写真右)です。
まずは「中村」さんから、映画の上映に先立ち、
ご挨拶がありました。
そのお話の中で、5年生の「道徳」の教科書(光村図書)が紹介されました。
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この教科書は、藤枝市内だけでなく、全国でも使われているものだそうです。
この本の「誰もが幸せになれる社会を」というページに、
この映画にもご出演の「山内きみ江」さんが登場するそうです。
こちらのページです。
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保育園の子どもたちと交流する「きみ江」さんの写真。
全国の小学生が読み学んでいる、元ハンセン病患者の「きみ江」さんのこと。
藤枝市出身の「山内きみ江」さんのことを、知っていないのは、
私たち大人の藤枝市民なのかもしれません。
まずは、知ることから始めましょう!

それでは、ドキュメンタリー映画「凱旋」を拝見しましょう!
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ありがとうございました!

上映終了後、5分間の休憩がありました。
その間に、機材のセッティングがなされ、
「トークセッション」が始まりました。
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左上に登場したのが、
現在「国立療養所多磨全生園」で生活なさっている「山内きみ江」さん。
右上の方は、この映画「凱歌」をお撮りになった「坂口香津美」監督です。
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大きな7番スクリーンは、このような画面になりました。

この「トークセッション」の司会をなさるのが、
朝日新聞記者の「阿久沢悦子」さん(写真下中央)です。

静岡支局にいらした時、「きみ江さん」という児童向けの伝記を読んで、
山内さんの強くしなやかな生き方に触れて以来、
山内さんの里帰りを実現したいと思われたのだとか。
今春、「坂口香津美」監督が撮影した映画「凱歌」を見て、
これをなんとか藤枝で上映できないか、と思い、
「動物介在ボランティアぷらす」の「伊東郁乃」さん、
「藤枝シネ・プレーゴ」の「森岡功樹」さん、
藤枝市市議会議員の「遠藤久仁雄」さんらと話し合い、
藤枝市と藤枝市教育委員会が主催する形で、
この上映会&トークセッションを実現できたのだそうです。
そこで、この日の「トークセッション」の司会をするために、
藤枝に駆けつけてくださいました。
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その阿久沢さんが、開口一番、
「きみ江さん!おかえりなさい!皆さまも拍手でお迎えください!」
と迎えました。
皆さんの拍手に迎えられて、スクリーン上ではありましたが、
きみ江さんは、ふるさと「藤枝」に、凱旋されたと感じました。

阿久沢さんがきみ江さんの五行詩「ありのまま」の中から、
 故郷は
 菜の花が咲き
 たわわに実る蜜柑
 干し大根
 懐かしい風景
という作品をご紹介して、ふるさと「藤枝」の思い出を伺いました。
すると、きみ江さんは、よどみなく、
子どもの頃の、自然に囲まれて遊んだ思い出をたっぷり語りました。

映画の中でも、近くの保育園の子どもたちとの交流や、
包丁に取り付けた装具を手にはめて、りんごを切り、皮をむいてみせます。
不自由な手でも、不可能はないと語り、
コロナ禍でも300ピース〜500ピースのジグソーパズルを
20個以上作ったそう。
不可能を可能に、人間には知恵があるのだから、
やる気を出せば、なんでもできる!

この日も午前中には、18〜19人の高校生たちに、1時間半あまり、
「自分が大人になったら、どうしたいか?」
目標を持つことが大切と、励まして来たのだそうです。

色々と不自由なところがあるはずなのに、
きみ江さんの強く前向きに生きる力を見せつけられて、
こちらがすごく励まされてしまいました。

映画「凱歌」についての内容や、
坂口監督がこの作品を撮るきっかけなどは、公式サイトに書かれています。
こちらからどうぞ。

坂口監督の次回作は、コロナの前に撮影した劇映画で、タイトルは「海の音」。
こちらも、いのちと向き合う作品で、
小児ガンの子どもたちが暮らす、南の島の海辺のホスピスのお話だそうです。
来年の今頃公開予定だとか。
現在、絶賛編集中だそうです。楽しみですね。

* 「トークセッション」については、
坂口監督きみ江さんの言葉をテープ起こしして、記事にさせていただきました。
こちらを!

ここからは、会場の皆さんと、きみ江さん、坂口監督との交流タイム。

まずお話されたのは、岡部町出身の「村越化石」さんの俳句のお弟子さん。
村越さんとの思い出を語られました。

続いて、「動物介在ボランティアぷらす」の「伊東郁乃」さん、
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この上映会実現に向けて、ご尽力なさいました。
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スクリーン越しにですが、きみ江さんと話せてうれしそうでした。

続いて、この日、映画館に駆けつけてくださった、
きみ江さんの同級生の皆さんが4人。
お一人ずつ、カメラの前に座って、きみ江さんとお話しされました。
きみえさんもご友人たちも、久しぶりの再会に感動!
少女時代に戻ったようでした。

そして最後は、藤枝市市議会議員の「遠藤久仁雄」さん。
遠藤さんも、この上映会が開催できるように、ご尽力賜りました。
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【遠藤議員】
2年前にきみ江さんのことを知りました。
今年になって映画が完成したと、それから何よりも、
きみ江さんがこの故郷・藤枝での上映をご希望されているということを
聴きまして、心を動かされました。
6月の議会で、映画上映のことを取り上げましたところ、
藤枝市長、教育長、前向きな答弁をいただきまして、
一気にこの企画が具体化しました。
そして、最初は9月の上映を考えていたのですが、
コロナの関係で、今日になったわけですよね。
本当に感動しています。
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このような機会を設けてくださった、
まず決断された藤枝市長、教育長、ありがとうございました。
「藤枝シネ・プレーゴ」でご協力いただき、ありがとうございました。
この主催者であります教育委員会の生涯学習課、
いろいろ事務的なこと、大変だったと思います。
三島市のハンセン病の啓発団体「ぷらす」の皆さま、
記事に取り上げていただきました「朝日新聞」「静岡新聞」、
本当にありがとうございました。
静岡県の職員の関係の方、人権擁護委員の皆さま、
静岡福祉大学、精神保健福祉ボランティアの皆さま、
藤枝市の市議会議員の皆さまにお力をいただきました。
それから、坂口監督!本当に長い時間ありがとうございました。
本日主役のきみ江さん!本当に良かったですね!

【きみ江】さん
どうもありがとうございました。
昔だったら、ハンセン病って聞いただけでも嫌われた私が、今は人権ということと、
世界中の人たちが人権っていうことを持ち上げてくださって、
私のような不自由なものでも、今日も高校生たちとお話してきましたけれど、
私の命がある限りは、自分の体をさらけ出して、
そして理解していただこうと思っております。
これからも、がんばって行きますので、
今日は本当にこういう機会をもたしていただきまして
ありがとうございました。
市の方々にも、くれぐれもよろしくお伝えくださいまし。
ありがとうございました。

【遠藤議員】
私たちね、今日は本当に数多くのことを学ばせていただきました。
ハンセン病という病気の歴史の中で、どのように関わってきたのか?
そして、差別や偏見ですね、こういったもの、
人間の醜いあってはならない行為なんですが、そういうことを学び、
それから私たち、正しい情報、いかにそれが大事かっていうことを、
今日、本当に理解できました。
勇気を持ってやっぱり行動するということですね。
それから、今日集まってくれた皆さんですね、
この輪をね、広げて行ってくださると私は思っておりますので、
ぜひ、きみ江さん、これからもお元気でお暮らしください。
それから、きみ江さん!まだまだこれで終わりではなくて、
先ほどから言っているように、今日、会場にお集まりの方は、
私も含めて年配なんだけれども、
若い人もいっぱいいますので、藤枝市に。
中学生や高校生と、ぜひ一緒にね、膝を交えて対談してほしいと、
そんなことを願っています。
市長がね、きみ江さんにお電話しましたね?
長〜い時間、30分くらい電話したって言ってましたけど。
その中でそういう話もね、若い人と話をするっていうことも
話題に上がったっていう風に、私は聞いています。
ぜひ、このイベントは第一歩ですから、
この後、また続けていきたいと思います。
私は、きみ江さんにお会いしたいので、
今年中に多磨の全生園の方に押しかけますので、
会ってくださいね。よろしくお願いします。

【きみ江】さん
こちらこそ、よろしくお願いいたします。

最後は、会場いっぱいの皆さんの拍手で、エールを送りたいと思います!
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「山内きみ江」さんも、「坂口香津美」監督も、
大きく手を振ってくださいました。
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名残惜しくはありましたが、「映画『凱歌』上映会」は、
大盛況のうちに終了しました。

関係者の皆さま、ありがとうございました。
大変お疲れさまでした。


【おまけ】
「山内きみ江」さんの画面の後方に写っているフラワーボックス。
それは、こちら。
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これは、藤枝市のお花屋さん「スズキ薔薇園」さんの商品で、
シャボンフラワーです。
お花のブーケなのですが、しばらくは飾って楽しんでいただいた後は、
お風呂に入れて、入浴剤として楽しめるというもの。
映画「ローズメイカー 奇跡のバラ」上映初日プレゼントの時のご縁で、
今回、「藤枝シネ・プレーゴ」から「山内きみ江」さんに贈られました。
藤枝市のカラー「紫」と、きみ江さんがお好きだという「ピンク」!
この上映会&トークセッションの思い出として、
楽しんでいただけたら、いいですね!
ありがとうございました。