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2021.0203(水)第8回「志太ビジネスプラングランプリ」最終審査会レポート [勝手に応援団!]

2021年2月3日(水)14:00〜17:00 ホテルオーレ5Fにて、
第8回「志太ビジネスプラングランプリ」の最終審査会が行われました。

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「志太ビジネスプラングランプリ」というのは、
志太3市(藤枝、島田、焼津)からの起業家を輩出するのを目的に、
2014年から、毎年開催されているコンテストです。

今年度は、2020年9月7日(月)〜11月6日(金)に募集され、
11月中旬に書類審査が行われ、
12月8日(火)にプレゼン審査が行われ、
2021年2月3日(水)に公開プレゼンテーションによる審査会が
行われた、というわけです。

ぱらぽんは、ファイナリストの1人である小林浩樹さんにこの情報を聞き、
様子を見に来たというわけです。
一般公開されているイベントですが、今年はコロナ禍の環境にあるため、
事前に問い合わせをし、見学希望の申し込みをして、
できれば写真撮影等の取材もしたいとお願いしておきました。
この「志太ビジネスプラングランプリ」の存在は、初回から存じ上げておりましたが、
最終審査会の会場にお邪魔するのは初めてでした。
ですので、今回は小林さんの応援というより、
「『志太ビジネスプラングランプリ』の最終審査会に行ってみた!」
というノリで、記事を書いてみたいと思います(長くなりそう…!)。
よろしくお願いいたします。


混雑を避けるために、早めに伺いました。
「ホテルオーレ」5F「藤の間」、受付です。
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検温、手指の消毒を済ませた後、前もって申し込んであったので、
すんなりと受付ができました。

会場です。さすが「ホテルオーレ」!すごいなあ〜。
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「お席もご自由にどうぞ!」と言っていただいたので、
写真が撮りやすそうな席をゲットしました!

12人から勝ち進まれたという、『ファイナリスト』の皆さん。
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くわしくは、後ほど!

そして司会をなさるのは、フリーアナウンサーの「片川乃里子」氏。
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そして「TOKAIケーブルネットワーク」の
「トコチャンワイド」の「山本宏高」氏もいらしてました。
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どちらにも、ご挨拶をして、取材許可をいただく。

さあ、いよいよ始まります。
主催者のご挨拶は、「志太3市起業ネットワーク推進協議会」
会長の「福地貴之」氏です。
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「起業のために新しい機会の創出は、メイン事業のひとつ。
 ビジネスチャンスはまちを活性化し、魅力あるまちづくりにつながります」(抜粋です)

審査員のご紹介です。
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審査員長「玉木潤一郎」氏 一般社団法人 起業家育成協会 理事 
審査員「渡村マイ」氏 一般社団法人 SACLABO 理事
審査員「小原励一」氏 日本政策金融公庫 静岡支店 国民生活事業統括
審査員「榛葉敏孝」氏 静岡県産業振興財団 新産業集積グループ グループマネージャー
審査員「佐塚諭」氏 藤枝金融協会(静岡銀行藤枝駅支店 藤枝駅ブロック母店長兼支店長)

第8回「ビジネスプラングランプリ」最終審査会、始まります。
(写真撮影・プレゼンの資料の掲載も許可いただいたので、ご紹介しますね。)

「金田千依(かねだ ちえ)」氏
苦しむお母さんを助けたい! 産後に寄り添う、 かかりつけ助産院の開設
~お母さんと助産師・地域を繋ぎ、 切れ目のない子育て支援を目指して~
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育児や授乳のことって、学校で教えてくれないのに、赤ちゃんが 生まれたらいきなり本番! 大変ですよね。
自分の身体や心の変化、家族のこと、子育てのこと...どのように すれば良いかを最初から知っている人はいませんし、どの親も情報と支援を必要としています。
妊娠中から一緒に準備をして、出産後も一緒に伴走する、信頼できる「my助産師」がいたら心強くないでしょうか。
かかりつけの「my助産師」をもっと気軽に、もっと多くのお母さんが 活用できる仕組みを作り、産後の育児支援の充実を目指します。
また、お母さんと助産師・地域を繋ぎ、子育てしやすいコミュニティを 作っていきたいと思います。

産後のお母さんは、富士登山をしたくらいの疲労度、
全治2ヶ月くらいのダメージなのだそうです。
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科学的根拠に基づいた授乳支援でお母さんを楽にしたい。
お母さんと助産師、地域をつなぎ、子育て支援ができるコミュ二ティを作りたい。

授乳について悩んでいるお母さんが、77.8%いる。
授乳について学ぶ機会は少ない。
現在の授乳支援は経験によるものが多く、個人によって状況は違う。
科学的根拠に基づいた授乳支援を軸にした、パーソナル産前・産後ケアが必要!

母乳育児支援にかかわる専門家のための非営利団体
「日本ラクテーション・コンサルタント協会」というものがあるそうです。
金田さんは、その「国際認定ラクテーションコンサルタント(IBCLC)」
の資格を持っていると。
これを活かして、
・授乳・育児相談(ご自宅訪問・オンライン)
・妊婦さん・家族向け パーソナル・パパママ教室
・自宅で受けられる産後ケア(母親の休息や育児の代行)120分/180分
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産前から産後まで、お母さんと家族に寄り添うかかりつけの「my助産師」になりたい。

「産後ケア」のニーズは高いはずだが、利用者はまだ少ない。
「産後ケア」を知らなかった。利用料が高いと感じた。近くに施設がない。
「産後ケア」を「受けなかった」というよりも「受けられなかった」人が多い。
①「産後ケア」の認知度をアップ!
② 利用料の負担軽減
③ 開業助産師を増やす。ビジネスとして認知が得られるシステムにしていく。
ことが重要! 社会全体にアプローチが必要!
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①「産後ケア」の認知度をアップ!
→「開業助産師マップ」を作り、母子手帳交付の時に保健センター配布する。
→病院助産師と胎教?助産師の交流会を持ち、安心して
 ケアが必要なお母さんを紹介してもらえるようにする。
→NPO法人・社会福祉協議会・保育園と連携して、産後の育児や授乳に関する相談会を開く。

② 利用料の負担軽減
→行政から、全ての産後のお母さんたちに助成が行われるようにする。
→企業や事業所にアプローチして、会社の福利厚生として助産師を利用してもらう。

③ 開業助産師を増やす
→地域と連携して、コミュニティビジネスとして成り立つようにする。
→利用者が増えれば、利益も増える。開業助産師になりたい人も増える。
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「子育てしやすい藤枝市」になれば…、
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そのためにも、
・科学的根拠のある授乳支援でお母さんを楽にする。
・お母さんと地域と助産師をつなぎ、子育てしやすいコミュニティを作る。
この事業の中心としていきます。
資金計画や収支計画も発表されました。

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「子どもを幸せにしたければ、まずお母さんを幸せにしなければならない」

「お母さんの笑顔を守る助産師になりたい!」
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「金田千依」さんの強い思いと決意を感じました。

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審査員長の「玉木潤一郎」さんは、
玉木「素晴らしい内容でした。
   科学的根拠が支援内容を誰でも見られるようにした方がいい。
   Youtube・SNSなどで情報発信すべき。
   藤枝市志太地域だけでなく、国内全体の問題だから、
   最近出てきたClubhouseも使って、広域でやって欲しい。
   このコストを若い夫婦が負担する時に、邪魔をするのが旦那?親世代?
   このサービスが必要なんだということを知らせるプロモーションが必要かも」

「小原励一」さんからは、
小原 「産後のケアサービスのニーズは高いのに、
    あまり利用されてない実態を初めて知った。
    藤枝市での「産後ケア」事業は?」
金田 「授乳相談をしているところ1軒ある。
    私は、ご自宅に訪問をして、授乳指導相談で90分、
    自宅でお母さんが休んだり、食事、休息を取れるように120分、
    できれば、育児のお手伝い、育児の代行もしたい。
    訪問をして指導を受けられるというところは藤枝市にはない」
小原 「金額の根拠は?」
金田 「日本助産師会」の授乳相談料の時間単位があり、それを参考にした」

「渡村マイ」さんからは、
渡村 「子育ては、経験すると分かるが、最初は悩むから、
    こういうサポートは助かるけどまだ少ない。
    認知度については、産後のお母さんはスマホを見ちゃいけないとか言われるが、
    告知が大切なので、力を入れて欲しい。
    高校生以上の女性、若い人たち、若い層に訪問指導、告知の活動をして欲しい。
    1/21〜開業したばかりとのことだが、経験者からすると、
    産後のお母さんは食事を作るのが大変なので、
    『産後ケア+3食付きで、1日一緒に過ごしてもらうプラン』、
    旦那さんからのプレゼントとして『1日自由に過ごせるプラン』など、
    いろいろなサービスをパッケージ化してみたら? 使いたい!」
と、具体的なアイディアも出ました。


「増田文香」氏
中国語 の「 読む聞く話す」を タイピングで学ぶ
ビジネスが加速する中国語 チャイニーズタイピング
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母国語人口 NO.1、世界14億人とつながる言語、中国語。
英語に次ぐ人気言語でありながら、離脱者が多い理由に着目しました。
離脱の原因トップ3である、独特な発音記号(ピンイン)、発音、 文字をパソコンやスマートフォンのタイピング機能を使った 手法でより簡単に、より楽しく、より効率的に学ぶ、時短学習法 それが「チャイニーズタイピング」です。
これまでの一般的な中国語教室とは異なる型破りなオンライン 中国語教室「チャイニーズタイピング」。中国語の難しさを面白さに変え、ビジネス、ご出張、駐在者とそのご家族など、中国語でお困りの方の言語習得をサポート致します。

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台湾人のお母さんと日本人のお父さんの間に、高雄市で生まれる。
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2歳の時に日本に来日し、日本語が不自由なお母さんに代わり、
学校の連絡網、お便り連絡などを一手に引き受ける。
日本で中国語が分かる日本人が多くないので、日中の架け橋になりたい。
大学で初めて中国語を学び、発音記号「ピンイン」に出合う。
その後、中国語を使う仕事をして、「中国語の発音て難しいよね」という悩みを多く聞く。
どこを直せば伝わる中国語になるかを教えるのが得意。
20年の中国語経験が、皆さんの役に立つかも。
2020年に「チャイニーズタイピング」を開講。
日本全国、海外からも受講生がいる。

企業も個人も日本人の受講者数が増えている。
年収と外国語取得は比例する。
語学を学ぶことは、ビジネスを加速させる。

中国語学習者の悩み
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①ピンイン(発音記号)が読めない。
②漢字を覚えられない。
③聞き取れない、話せない。

やめる原因①ピンイン(発音記号)が読めない。
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子音と母音と4つの声調の組合せで成り立っている。
ひとつの声調に対して、1620種類の発音記号がある。
×4つの声調があるので、6480の発音記号がある。
「チャイニーズタイピング」では、「6つの母音だけでOK」と教える。
6つのうち、4つは日本語にある母音と同じ。
残りの2つだけ学べばいいと分かれば、中国語のハードルは下がる。

②漢字を覚えられない。
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中国語は、2つの漢字がある。
「簡体字」は、中国の大陸で使われている漢字
「繁体字」は、香港・台湾・シンガポールなど中華圏で使われている複雑な漢字
書くのはとても大変なので、書かずにタイピングで覚えちゃいましょう!
フォントの入力を替えるだけで、
どちらも同じ「ピンイン」を使って中国語を学ぶことができる。

③聞き取れない、話せない。
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「谢谢」は、「シェィシェィ(xeixei)」ではなく 
→「シィェシィェ(xièxiè)」
うまく聞き取れない。発音できないものは、聞き取ることができない。
「ピンイン」をタイピングした時に、ピンインが違えば正しく変換されず、
漢字が出てこないシステムになっている。
忙しいお医者さんが受講。2ヶ月でマスターして、
中国人と話ができるようになったと喜ばれたそう。

Zoomを使ってオンラインで授業ができるので、初期投資はあまりかからない。
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中国ビジネスには、必須な学習法だそうです。

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審査員長の「玉木潤一郎」さん、
玉木 「すばらしく流暢な話しぶりでした。
    パーソナルティーチングが必要な人は、首都圏に多い。
    都内の会社で研修費を握っている総務部長さん、
    中国語をマスターしたいと思っている社員がいる企業など。
    会社に来るDMの多くが研修計画系のものが多い。
    初期投資の中に、都内に会社へのアプローチ費用も含めるとよいのでは?」

「佐塚諭」さんは、
佐塚 「これから広がっていくと思う。
    ビジネスとつながる層にアプローチ、日本全国に配信した方がよいと思う」

「片川乃里子」さんからは、
片川 「現在の受講生は、お医者さんの他にどんな方が?」
増田 「駐在を控えている駐在妻の方。
    お子さんがいらっしゃるので現地で子どもを守れるようにしたい。
    大学生の方。コロナで、大学の授業が全てオンラインになってしまい、
    先生がひとりひとりの対応ができない。
    留学を控えているので短期間で習得したい」


「小原励一」さんからは、
小原 「このタイピングで学ぶというのは、オリジナルのノウハウだと思うのですが、
    これは一度学んでしまうと、簡単にそのノウハウが吸収できてしまうものなのか?
    他社との競合はどうなのか?どういうターゲットがいいのか?」
増田 「タイピングを使って中国語を打つこと自体は、
    アルファベットをそのまま打てば入力できる。
    が、そこから、発音の調声とか、発音の間違いを正すところは、
    聴き分けができないといけないので、私でないとできない差別化のところです」

「榛葉敏孝」さんからは、
榛葉 「この講座を受けると、検定が受けられる力が付くなどを
    明記しアピールできるといいのでは?」
増田 「『HSK』の他にも、日本独自の国内の中国語検定もあります」
 
                                   
「道川綿未」氏
WABISAVILLAGE SASAMA PROJECT (わびさビレッジささまプロジェクト)
~日常の中の非日常で 楽しむアートライフ~
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島田市川根町笹間地区で 2011年より始まったささま国際陶芸。
人口約 350人の村はこれまでに 37カ国からアーティストが訪れる 国際的な地域となりました。
過疎・廃校・空き家・人口減少、さまざまな負の遺産と呼ばれる要因を ポジティブに活用し、海外から訪れる人々が田舎の暮らしを知り・ 体験でき・ふるさとと感じられる、そんな地域を目指しています。 「お客様」としてではなく「地域の一員」として滞在する新しい 形のレジデンスプログラムを通し、ささまの人が受け継いできた 文化や暮らしを次世代へとバトンパスするお手伝いが出来たらと 思います。

WABISAVILLAGE SASAMA PROJECT (わびさビレッジささまプロジェクト)
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「道川綿未」さんは「地域おこし協力隊」として、島田市川根町笹間地区に移住。
(笹間地区は「過疎・廃校・空き家・人口減少」といった要因を逆手にとって、
廃校となった旧笹間小学校を「島田市山村都市交流センターささま」として活用。)

「過疎」の村も、見方を変え、考え方を変えると、
とてもワクワクした楽しい地域になる。
その楽しむためのキーワードは「わびさび」。
「わびさび」の中にある美しさ、その美しさを見いだす心、
日本独自のポジティブな精神を、過疎の地域に置き換えて考えられるのでは?

「864万」
この数字は、2018年の日本全国にある空き家の数!
過疎地域だけでなく、日本全国が抱える空き家問題。

笹間の空き家の特長
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・とても大きく、平屋建。
・離れや茶屋などもある。

一般の若い世帯に移住を促進しようと思ったら、
大きすぎて、もてあましてしまう。
そこで考えたのが、「ささま国際陶芸祭」と組み合わせること!
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2011年から「ささま国際陶芸祭」という海外の陶芸家を招くイベントを行っており、
これまでに、延べで37カ国から350人以上のアーティストが来訪。

先ほどの大きな空き家でも、アーティストたちにとってみれば、
みんなでシェアして住める場所、離れは最高の作業スペースになる。
大きな特長は、単なるアーティストインレジデンスではなく、
そこに、笹間の暮らしを組み合わせることを思いついた。
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アーティストが、ただ地域に滞在して作品制作をするというのではなく、
実際に地域コミュニティの一員として一緒に暮らし、生活を体感することができる、
そんなレジデンスプログラムを作りたい。
そこで、拠点となるための地域内の共有施設をリノベーションした。
地域の人に協力してもらって、空き家を直した。
空き家 → 窓から、美しい茶畑が見られる部屋
農機具小屋 → 24時間利用可能なワークショップスペースに。
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アーティストはいつでも作業ができる。
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滞在スケジュール
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制作の時間の合間にハイキングをしたり、茶畑を散策したり、
地域住民とアーティストが交流できる時間をたくさん作る。

アーティストからは、参加費用をもらい、それを運営費にする。
イニシャルコスト リノベーション+設備投資 
ランニングコスト ・家賃・水道光熱費
エキストラコスト ・材料費・地元住人への講師料

・ワークショップ
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アーティストが講師となって、地元の人・子どもに(英語で)教える

・シェア工房
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レジデンス作家の工房を貸し出し、お客さんに日帰りや週末、制作してもらう。

・オープンスタジオ
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アーティストの作品展示公開
地域の人も参加。地域の農産物の販売も!

・ファームステイ
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お茶・椎茸の生産を学びたい外国人を受け入れて、地域の高齢化対策で、
農業の担い手を育てる。農産物の販売の促進。

・アクティビティ
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地元の人が講師となり、アーティストにいろいろなものの作り方を教える。
味噌、木を切る、縁側でお茶、草履を編む。
地域の文化を伝える。

・そば打ち
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・お祭りに参加する
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東京大学の美学芸術研究室の小田部教授の言葉に
「わびさびは、物事を未完成や不充分でままで終わらせる。
 そこに、想像力が入り込む余地が生まれる」とおっしゃったそう。

笹間の暮らし
過疎と呼ばれる地域が、次の世代につながる可能性を秘めている。
「過疎」+「想像」=「可能性」

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「玉木潤一郎」さん、
玉木 「もうすでに行っている事業ですか?
道川 「ずっとモデルプロジェクトのような形で、別々の事業でやっていました。
    ワークショップを単体で…とか。作家さんに体感してもらって、調査をしたり。
    本格的にビジネスとして始めたいなと思っていたところに、
    コロナになり、停滞。
玉木 「年間に何回くらいやりたいですか?」
道川 「今作った家が、年間で3名まで滞在できることになっている。
    新しい空き家も集落ごとに1〜2戸、開拓したいと思っている。
    外国人が集まりすぎるとつまらない?
    一定の数になったら、単価を上げて収益を上げていきたい。
玉木 「今の状況だと赤字が予想される。数字を立てて計画してみて欲しい。
    コンテンツはすごいものがある。
    プラットホームづくりは、若干の外注も考えてみては?」
道川 「料金について。地域の人がお金を受け取ることに抵抗がある事情もある。
    地域の人に、自分達が持っているもの魅力があると
    気づいて納得してもらいたい」  

「渡村マイ」さん、
渡村 「哲学的なプレゼンだった。
    リノベーションをする時の初期投資をどう回収するのか?
    料金がやすいような気がする 改修スケジュール
    移住を考えた人が仮に使えたり、一般の人も宿として使えたらいいかも。
    予約が入ってない時の使い方」
道川 「長期滞在してもらえる人が少ない。
    美大卒の作家さんに貸す。週末(金〜月)に来て制作する?
渡村 「学生・作家はお金がないので、
    国内外の財団などに働きかけて投資してもらう?
    コンセプトはステキなので共感できる。がんばって欲しい」

「小原励一」さん、
小原 「ロングステイの例が紹介されたが、
    ショートステイのプログラムもたくさん作って
    組み合わせられるようにしては?
    いろいろなニーズに応えられるようにしたら?」

「榛葉敏孝」さん、
榛葉 「企画としては興味があるし、いいなと思う。 
    どのようにビジネスとしてつなげていくか?
    もう少し突っ込んで考えてみてもいい」

「ささま国際陶芸祭」は、2011年にお邪魔しています。
その時のことは、ブログで書いています。その様子は、こちら
当時「過疎」の問題を抱える村を、一気に国際都市にしてしまう、
そのすごさを目の当たりにしました。
地元の方々のホスピタリティを大切にして、事業をなさっているところに
感動したのを覚えています。
その頃からずっと、綿未さん!がんばっているなあと、あらためて感動しました。

皆さん、お疲れ様でした。
ここで、しばしの休憩タイムでした。
では、後半参ります。

「谷口恵世(しげよ)」氏
アボカド産地化&国内初! 国産アボカド流通組織設立
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農家の次女として生まれ、両親から経営を継承し、4 年前 に法人化。「エレガントファーマー」の商標を登録。自然とともに農作物を生み出す農業はとてもエレガントで美しい 行為であると農業の魅力とすばらしさを伝えたいという想いで 農業経営を行い、持続可能な農業を目指している。常に新しいことにチャレンジしていく中でアボカドの魅力に惹かれ、国内でも樹上完熟したクリーミーで濃厚なアボカド本来のおいしさを消費者に届けたいと思い、国産アボカドの産地化及び、全 国初の流通組織を立ち上げたい。

「谷口恵世(しげよ)」さんは、株式会社「大石農園」代表取締役、
「岩崎恭子」さんは、一緒に「アボカド研究会」を立ち上げた方。

この写真は、農業に携わるお仲間。
ハワイの「アボカドフェスティバル」に参加した時のもの。
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完熟してから収穫したフレッシュな「アボカド」を食べて、
今まで味わったことがないみずみずしさと、濃厚さにびっくりしたそう。
皆さんにもぜひ味わって欲しい!

プランの目的
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静岡県内でのアボカド栽培(温室&路地)を確立させ、
ほんとうに美味しいアボカドを消費者へお届けする
国内初!!のアボカド流通組織をつくる

谷口さんが経営する「大石農園」は、牧之原市にて露地栽培を中心に、
両親の代からのお茶やみかんをしっかり栽培しながら、
新しい品目にチャレンジしている。現在は、約16ha栽培している。
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今年収穫したアボカドの写真。

5年前に行われた、第1回「アボカドサミット」に参加をきっかけに、
お茶の耕作放棄地を活用して、アボカドの栽培を始めた。
アボガド栽培の難しさ、輸入のアボカドとの味の違い、
アボカドの需要、気候変動などから、
今後の国産生産のアボカド生産については、農業者・経営者として夢と希望が持て、
とても魅力があることに気づいた。
個人の生産では限界があり、目的である米国流通を目指すためには、
もっと大きな枠組みで組織化が必要。

アボカドとは?
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「森のバター」「食べる美容液」世界一栄養価の高い果物
栄養素は、ビタミンE、不飽和脂肪酸、カリウム、葉酸等
・消費量が世界的に急拡大
・国内需要も急拡大
・日本で売られているものは、ほとんどがメキシコ産で、国産は、0.003%のみ
・生産量が少ないため、国産は高価格取引
「アボガド」は亜熱帯果樹だが、温暖化の影響で栽培エリアが北上していて、
この地域でも露地栽培が可能になった。
志太地域は、流通に有利。

販路実績としては、牧之原市の「ふるさと納税」記念品、
牧之原市内のリゾートホテルへ納品、
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老舗高級フルーツ店への仲卸さんへ営業、
販売量がまとまれば取引が成立しそう。

2018年より「アボカド研究会」を立ち上げ、
アボカド栽培に興味のある農業者が続々参加している。
年に数回、勉強会を開催。
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海外、他県への視察、交流を図っている。
島田市、焼津市など、志太地域でも、路地・温室ともに栽培が始まっている。
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農業者の高齢化、近年の茶価低迷により、耕作放棄地の問題。
アボカド栽培を新規作物として取り入れ、経営へのリスク分散の一手となりうる。
新規就農者、企業の農業参入にアボカド栽培を取り入れることもおもしろい試みに。

「アボカド研究会」の組織化の必要性
国内でのアボカド栽培の知識の確立していない、
全国流通させるほどの生産量はない、品質の基準もない。
生産者を増やし、多くの情報を集積させ、研究・勉強することで、
生産を安定させ、販売先への信頼を得ることが重要。
ブランド化して、差別化できるように。

「アボカド流通組織」の説明図
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課題と対処方法
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谷口さんは4年前に「エレガントファーマー」という商標を登録。
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プレゼン、お疲れ様でした。

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「玉木潤一郎」さん
玉木 「静岡の名産のフルーツって、紅ほっぺとか、名前が付いているが、
    今回のアボガドをブランド化するためのネーミングとかキャッチとか、
    もう終わっているのか?」
谷口 「今はまだ、収穫が多くないので、
    『ふるさと納税』記念品として出荷する時は、
    『エレガントファーマー』が作るアボカドとして出荷している」
玉木 「一般の人は、アボカドが国産かメキシコ産かの違いは
    分からないと思うが…」
谷口 「今、国産のアボカドとして流通しているのは、デパートの果物売場くらい。
    『国産』の表示があり、価格的には2000円くらいしている」
玉木 「『エレガントファーマー』が作るアボカドだとしたら、
    もうひとつストーリーが必要。ネーミングもそのひとつ。
    トップランナーの谷口さんのストーリーが必要」

「佐塚諭」さん、
佐塚 「ひとつ、2000〜3000円と聞いたが、
    私はあまり食べる機会がないのだが。
    収支計画の売上高の数字は?」
谷口 「組織が生産者から買い上げる数字をまとめている」
佐塚 「今どのくらいの生産量なのか?」
谷口 「栽培が難しいので、まだ安定していないが、1本の木に20玉くらい。
    次の年は10倍くらいになると聞く。
    ゆくゆくは、低木栽培で200玉くらい採りたい。
    増えれば流通させられる」

「小原励一」さん、
小原 「まずは栽培技術を確立するところが大切だが、今どの辺なのか?」
谷口 「栽培の課題は、路地では着果率はまあまあだが、
    天候により小さいうちに落果することがある。
    現在5年目。栽培マニュアルがたまってきた。
    マニュアルを整え、書籍化も検討。
    研究会のメンバーには、情報共有して早く安定化できるよう期待」

実は、「エレガントファーマー」さん、以前ブログでご紹介してました。
2015年11月に、「しだグリOPENカレッジ実践ゼミ」@石畳茶屋でお目にかかってました。

 
「小林浩樹」氏
ローカルビールで 地域と産業をつなぐ
~地産ホップから 地ビールと地域づくりへ~
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全国で4番目に醸造所が多いクラフトビール大国静岡で、ホップを 栽培し販売している生産者はいない。なぜならば、ホップ栽培は、 東北・北海道の涼しい場所を好むからだ!
しかし、私たちは島田市伊久美地区でホップを栽培し、初年度から収穫できたことで、県内クラフトビールメーカーから注目を集めている。
そして、志太地区の飲食業や観光業者から地ビールへの期待も 高まっている。なぜならば、志太地区にクラフトビールメーカーが ひとつもないからだ!
私たちは挑戦する。地域の魅力が詰まったビールづくりと地域の 未来づくりに!!

2020年8月に、合同会社「ビアホップおおいがわ」を設立。
ビールの主原料であるホップの栽培と加工を行っている。
ビールの醸造と販売を予定している会社。

まずは、「小林浩樹」さんの自己紹介。
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20年前から、藤枝市の中山間地域である瀬戸谷地区の活性化に取り組んできた。
大久保グラススキー場・キャンプ場など、地域活性化施設の運営改善。
「せとやコロッケ」などのご当地グルメの開発、
ご当地イベントの企画など、小さな成果をを数々上げてきた。
人材が育ってきたことから、2020年、隣接する伊久美地区で、
活性化プロジェクトに取り組むことになりました。

プランの目的は、中山間地域の魅力をビーズづくりに活かす。
ビールを通して、中山間地域の魅力を活性化に取り組むこと。

現在ビール業界は、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーの
4大メジャービールと、それ以外のクラフトビールに区分される。
クラフトビール業界は、ここ10年間で製造量が、
15000klから35000klに市場が拡大し、成長産業といえる。

静岡県は全国でも4番目に醸造所が多い、クラフトビール大国。
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大半は、東部エリアにある。
この志太地区には、ひとつもない。ニーズがあるはず。
クラフトビールは、団体ではなくグループや個人で楽しむことが多いので、
このコロナ禍でも強いと考える。

絶対的な強みがある。
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ホップの栽培は、北緯35度といわれ、
静岡県での栽培は難しいと言われている。赤線ライン参照。

昨年、島田市伊久美地区で、ホップの収穫ができた。
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ホップのツルが6mも伸び、初年度からホップが青々と実りました。
県内のクラフトビールメーカーの皆さんも注目して、視察が相次いだ。
今年から生産量を増やして、作付面積も広げる予定。
収穫した地産ホップを使った地ビールは、他の醸造メーカーにはマネできない強みになる。
島田産ホップをはじめ、志太地区の農産物(お茶・みかん・トマトなど)を使った
クラフトビールが製造・販売。
島田市伊久美地区に醸造所を開所し、ビアバーベキューやビアショップを併設することで、
中山間地域の集結を行う。
「KADODE OOIGAWA」や「道の駅」など、志太地区の観光施設で、
目玉となるビール商品を開発し、販売することで、観光業にも貢献できる。

どんな人に売っていくか?
「コアターゲットペルソナ」
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働く女性が自分自身へのご褒美として、ビールを飲んでもらいたい。
ちょっとずつ楽しみたい。
クラフトビールは、醸造所のタンクが小さいことから、
少量多品種のビールを製造できるから、
ちょっとずついろいろ楽しみたい女性の好みに合う。
ホップの収穫の体験イベントを開催する。
生産地でしか楽しめない飲み方。
「ビアマルシェ」をビール醸造開始前に開催する。
出店者にもSNSで情報発信・拡散してもらう。
ホップの成分が注目されている。機能性食品?

プランの課題は、公共交通機関
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伊久美地区を走る路線バスは、土日祝日運休。
車の利用になると、運転手が飲めなくなってしまう。
ビアバーベキューやビールを飲みたい人がバスの需要を増やし、
バスの運行再開の機会になれば…、社会貢献になる。

「しだローカルビールプロジェクト」
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醸造所を中心に大きな流れができ、地域が活性化する。
コロナ禍で飲食と観光業の方々が本当に苦しんでいる。
こんな時代だから、このプランを実現したい。
こんな時代だから「おおいがわホップ」は、夢香る一歩になりたい。
ビールは、人と人とを繋ぐ、産業や文化に広がり、未来を作ると確信する。

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「玉木潤一郎」さん、
玉木 「今回は、瀬戸谷は関係ないの?」
小林 「瀬戸谷に広がるようなビジネスプランにします」
玉木 「クラフトビールの大ファンで、おうちで飲みたい。
    体験型でいうと、地域貢献できるのはとてもいい。
    志太地域でぜひやって欲しい」

「榛葉敏孝」さん
榛葉 「課題、醸造士の確保が難しい、とあるが。」
小林 「私が憧れているブリュワリーに、知り合いの人をお願いして鍛えてもらっている。
    私自信も毎週、醸造の勉強している。自分が飲みたいビールを研究している」

「渡村マイ」さん、
渡村 「ビールから地域へというところが、小林さんの得意分野なので、
    具体的でイメージがわいた。
    ターゲットが働いている女性で、立地が山間部というところで、
    ネットでも、買いに来てもらっても、デザインもよく、
    農山村のにおいがするようないいイメージがある。
    ホップから作っているところが貴重だが、
    ビールを作るところが想像を絶する大変そう。
    ぜひ成功して欲しい。
    農業から始まるからこその地域への循環、地域の方へのインパクト、
    雇用も生み出せると思うので、最初の資金ところが大変だと思うが、
    がんばって欲しい。
    クラウドファンディングなどはどうか?」
小林 「クラウドファンディングは、ファンづくりのために使いたい」

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「小原励一」さん、
小原 「クラフトビールのテイストはどうするのか?
    ネーミング、ラベルのデザイン性とか?お持ちのネットワークでやるのか?」
小林 「いろいろな方から声を掛けてもらっているが、一番大切なのは、
    各醸造所が私たちのホップで試験醸造してくれている。
    そういう中でビールづくりを考えて、テイストもネーミングも考えたい。
    来年10月に自社ブランドの製品を生み出したい」
小原 「地域に貢献するビジネスだと思うので、がんばってください」

「佐塚諭」さん、 
佐塚 「地域貢献度というか、
    コロナ禍での観光スポットとしてもがんばってもらいたい」

これで5人のプレゼンが全て終了しました。
審査員の皆さんが、審査をしている間は、
会場にいる皆さんの名刺交換などの交流タイムになりました。

会場外の通路には、ファイナリストの展示品や、
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創業支援の資料などが持ち帰れるように、展示されていました。
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5人のファイナリストの皆さん、お疲れ様でした。
とても長い記事になりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。

小林さんを見守るために行ったのに、なぜこんなにくわしく書くことになったかというと、
皆さんが本当に一生懸命がんばっていらっしゃるのを感じたからです。
この日は「志太ビジネスプラングランプリ」に優勝するために競っているかもしれませんが、
どのプランも順番を付ける必要もないくらい、それぞれ素晴らしい内容でした。
ただ、翌日以降の報道では、どうしてもグランプリを取ったものを中心に、
その他のものとして、紹介される内容も減ってしまいます。
紙面のスペースがありますから仕方がないですが、それはとてももったいないと思ったので、
「ごきげんぱらぽん4」では、あえて、同等に書かせていただきました。
多少、理解不足や、聞き逃し等ありましたので、
後で、内容を確認できましたら修正加筆させていただきます。
現時点での不備をお許しください。

それでは、結果発表をお楽しみに!
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