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2021.0630(水)映画「ファーザー」を静岡東宝会館で観ました。 [映画館へ行こう!]

2021年6月30日(水)気になっていた映画
「ファーザー(原題:The Father)」を静岡東宝会館で観ました。

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認知症の父親と、その父親を介護する娘のお話。
本年度アカデミー賞「主演男優賞」「脚色賞」を受賞した話題の作品です。
公式サイトは、こちら



この作品の原作は、フランスの劇作家の「フローリアン・ゼレール」による戯曲
『Le Père』(ル・ペール:父 )で、2012年にパリで上演されました。
その後、イギリス、アメリカ、オーストラリア、シンガポールなどでも上演され、
日本では2019年に東京芸術劇場で、
父「橋爪功」娘「若村麻由美」で上演されたそうです。

この映画「ファーザー(原題:The Father)」は、
イギリスとフランス合作の作品で、
監督は原作者でもある、劇作家の「フローリアン・ゼレール」、
脚本は、「フローリアン・ゼレール」と「クリストファー・ハンプトン」です。
公式サイトの「Trailer」に、それぞれの方のインタビュー動画があります。
それを観ると、それぞれの方がこの作品に込めた思いが分かります。

認知症になった父の元に、娘が通いながら介護している訳ですが、
次第に父親の目線になっていき、記憶が曖昧になってしまったり、
自分が今どこにいるのか?この人は誰なのか?
混乱してくることが、そのまま映像として現れてきます。
観ているこちらも、一緒になって不安になり、
父と娘の、過去と現在の思いや絆に同行することになります。

観ていて気になったのは、父親が何度も言う「my flat」という言葉。
イギリスではアパートのことを「flat」というのですね。
I’m not leaving my flat!
勉強になります。

部屋には絵が飾られ、クラシックを聴きながらくつろぐ父の日常。
生活スタイルや、調度品を垣間見るのも興味深いです。
その豊かな生活がこのままでは続けられなくなる。
洋の東西を問わず、どこの家にも訪れうる問題です。

自分が父を介護したときの経験も思い出されて、
どうしようもない気持ちを共有したり、
たとえ映画の中の、外国の親子の話であったとしても、
穏やかで安心できる日常を過ごして欲しいと願わずにはいられない。
さらに、今後、自分の身にも、こういうことが起きてくるのだろうか?
という、漫然とした不安感も…。

切ないのですが、愛おしくて、美しい作品です。
静岡東宝会館では、7月7日(水)までの予定です。