2023.0715(土)藤枝明誠中学校で、「お茶の講座」のお手伝いをしてきました。 [元気なまち藤枝]
2023年7月15日(土)8:30〜
ここは、どこでしょう?
藤枝明誠中学校の図書室です。
始まる前は、こんな感じです。
この日こちらで行われるのは、
中学生に日本文化についてより深く知ってもらうための講座の3回目。
6月24日(土)1回目の講師は、「松竹由紀」さん。
「『書』で思いを伝えよう!
〜筆ペンで「藤枝の夏」を〇〇さんに伝える〜」
をテーマに行われました。
7月1日(土)2回目の講師は、「余川千津子」さん。
テーマは、「言葉の力〜日本文化のコミュニケーション〜」。
そして3回目が、この日、7月15日(土)。
こちらが、講師のおふたり、
「余川千津子」さんと「TEA SEVEN」の「原伸明」さん。
打ち合わせしています。
会場の様子は、こんな感じ。
3回目のテーマは、
「人と人を繋ぐお茶の魅力の力〜藤枝のお茶を味わう〜」
さあ、講義が始まりますよ。
1回目の講師・松竹さんが書かれた「書」を
2回目の講師・余川さんが展示してくれました。
原さんが、お茶の歴史の話を始めました。
原さんが手にしている円盤状のもの。
それは、こちら。
中国・雲南省で作られた、プーアール茶の「餅茶(へいちゃ)」。
「餅茶」というのは、蒸した茶葉を搗き固めて乾燥させたもの。
中国での古い時代でのお茶は、このような形をしていたとか。
現在では、固めていない「散茶」というスタイルも多い中で、
このような「餅茶」も作られているそうです。
中をちょっと見せてもらいました。
こんな感じ。
これを剥がすように崩しながら、使うのだそうです。
平安時代、遣唐使の一員として唐に渡った「最澄」が、
中国(唐)から茶の樹の種を持ち帰り、日本にお茶が伝わりました。
当時のお茶は貴重なお薬のようなもので、「粉にして飲む」今でいう「抹茶」スタイル。
高価なものだったので、貴族など高貴な人の飲み物だったそうです。
鎌倉時代末期からは、中国(宗)から輸入されたのが、
複数のお茶を飲んで、それぞれの銘柄や産地などを見極めて当てる遊び、
「闘茶」です。
位の高い公家や僧侶から庶民にいたるまで、
この遊びに夢中になり、賭け事として大流行。
田畑や全財産をかけてしまう人々が出てきたので、
室町幕府により、禁止令が出るほどでした。
その後、江戸時代中期1738年(元文3年)に、
京都(山城國宇治田原郷字湯屋谷)で製茶業を営んでいた
「永谷宗七郎(後に入道して永谷宗円と名乗る)」が、
日本式の製茶方法でを発明、「煎茶」という飲み方を作り出しました。
その「永谷宗円」のイラストがこちら。
京都で行われた闘茶会の時のユニフォームだったそうです。
この日、配られた資料です。
「藤枝生活ガイドブック2023」と「TEA SEVEN」のパンフレットです。
前者は、フリーライターの仕事の紹介として、配らせていただきました。
「お茶のまち藤枝」のページ(P24/25)では、
藤枝のお茶や、「とんがりぼう」について説明しています。
「TEA SEVEN」のパンフレットには、
「TEA SEVEN」の紹介と「お茶ができるまで」について書かれています。
「茶農家と茶商の煎茶ができるまで」は、
煎茶ができるまでに行われる工程が、わかりやすくまとめられています。
そのいくつかの工程は、「TEA SEVEN」メンバーの似顔絵入りで、
親しみやすいパッケージになっています。
そのお茶と、「藤枝かおり」が皆さんに配られました。
このお茶たちは、蓮華寺池公園内の施設「とんがりぼう」で販売しています。
さて、中学生にとっては、
ずっと講義を聴くだけではつまらないかもしれないので、
後半は、実験をしま〜す。
用意されている「煎茶」、2つとも同じ茶葉です。
この茶葉を白い茶漉し(写真左)に、それぞれ入れます。
右の透明な容器には、お湯と水を入れます。
すでに、茶漉しからこぼれたお茶の粉が入っているのはご愛嬌。
そこに、茶葉の入っている茶漉しを浸します。
同じ茶葉をお湯と水に浸した時に、
抽出されるお茶の違いを確かめる実験です。
数分して、茶漉しを取り出します。
左がお湯で、右がお水です。
色の濃さも少し違いますね。
取り出した、茶葉の匂いとかも嗅いでもらいました。
そこで、お水の方のお茶を、スプーンで紙コップに注ぎます。
飲んで味わってもらいます。
お湯の方は、一旦急須に入れて、
それぞれのコップに注ぎます。
それでそのお茶を味わってもらいます。
お茶の味と香り、お湯と水の違いを実感してもらう。
お水の方は、あまり味がしない。
お湯のほうが、味が濃く、苦味もある。
お湯で抽出する方が、茶葉がしっかりと開いて、
お茶の成分がお茶によく出ている。
お茶の苦味を感じる成分は「カテキン」。
「カテキン」は、ポリフェノールの一種で、
抗酸化作用、抗ウィルス作用、抗がん作用、コレステロールを下げる作用、
血糖の上昇を抑える作用、殺菌作用・抗菌作用、
虫歯・口臭予防、肥満予防の効果などがあると言われています。
一方お茶の旨味を感じる成分は「テアニン」。
高級なお茶や、お茶を低い温度で淹れると味わうことができます。
この時のお水で淹れたお茶は、抽出時間が短かったので、
旨味成分までは感じられなかったかもしれません。
ですので、水で抽出したい時は、冷水ポットに水と煎茶を入れ、
前日から冷蔵庫で冷やしておくと、美味しい冷茶が楽しめます。
スプーンで注ぐのと、急須で注ぎ分けるの、どっちが楽?と考えると、
たくさんの湯呑みに、均等にお茶を注ぎ分けるのには、
「急須」という茶器がとても便利なものだと気付かされます。
藤枝では、「藤枝かおり」のペットボトルも販売していて、人気です。
この日の講座は、3年生・2年生・1年生の順で、
3回行われました。
最後は、皆さんに「振り返りシート」に感想などを書いてもらいました。
中学生の皆さんに、藤枝のお茶について、感じるところはあったでしょうか?
若い人たちのお茶離れが嘆かれているこの頃ですが、
こういう授業をやらせてもらえることで、
お茶を身近に感じてもらえたらいいですね。
そのためにお土産にしてもらった茶葉を、
生徒さんの各家庭で、急須でお茶淹れながら、
お茶談義をしてもらえたら、本当に良いと思います。
さらに「とんがりぼう」にも興味を持ってもらい、
足を運んでもらえたら、もっと色々なお茶があることに気づいてもらえる。
そんな藤枝のお茶業界にとっては、お茶に親しんでもらえる
種まきのような授業になっていると思いました。
各学年の先生方も見守ってくださいました。
明誠中学校の皆さん、ありがとうございました。
ここは、どこでしょう?
藤枝明誠中学校の図書室です。
始まる前は、こんな感じです。
この日こちらで行われるのは、
中学生に日本文化についてより深く知ってもらうための講座の3回目。
6月24日(土)1回目の講師は、「松竹由紀」さん。
「『書』で思いを伝えよう!
〜筆ペンで「藤枝の夏」を〇〇さんに伝える〜」
をテーマに行われました。
7月1日(土)2回目の講師は、「余川千津子」さん。
テーマは、「言葉の力〜日本文化のコミュニケーション〜」。
そして3回目が、この日、7月15日(土)。
こちらが、講師のおふたり、
「余川千津子」さんと「TEA SEVEN」の「原伸明」さん。
打ち合わせしています。
会場の様子は、こんな感じ。
3回目のテーマは、
「人と人を繋ぐお茶の魅力の力〜藤枝のお茶を味わう〜」
さあ、講義が始まりますよ。
1回目の講師・松竹さんが書かれた「書」を
2回目の講師・余川さんが展示してくれました。
原さんが、お茶の歴史の話を始めました。
原さんが手にしている円盤状のもの。
それは、こちら。
中国・雲南省で作られた、プーアール茶の「餅茶(へいちゃ)」。
「餅茶」というのは、蒸した茶葉を搗き固めて乾燥させたもの。
中国での古い時代でのお茶は、このような形をしていたとか。
現在では、固めていない「散茶」というスタイルも多い中で、
このような「餅茶」も作られているそうです。
中をちょっと見せてもらいました。
こんな感じ。
これを剥がすように崩しながら、使うのだそうです。
平安時代、遣唐使の一員として唐に渡った「最澄」が、
中国(唐)から茶の樹の種を持ち帰り、日本にお茶が伝わりました。
当時のお茶は貴重なお薬のようなもので、「粉にして飲む」今でいう「抹茶」スタイル。
高価なものだったので、貴族など高貴な人の飲み物だったそうです。
鎌倉時代末期からは、中国(宗)から輸入されたのが、
複数のお茶を飲んで、それぞれの銘柄や産地などを見極めて当てる遊び、
「闘茶」です。
位の高い公家や僧侶から庶民にいたるまで、
この遊びに夢中になり、賭け事として大流行。
田畑や全財産をかけてしまう人々が出てきたので、
室町幕府により、禁止令が出るほどでした。
その後、江戸時代中期1738年(元文3年)に、
京都(山城國宇治田原郷字湯屋谷)で製茶業を営んでいた
「永谷宗七郎(後に入道して永谷宗円と名乗る)」が、
日本式の製茶方法でを発明、「煎茶」という飲み方を作り出しました。
その「永谷宗円」のイラストがこちら。
京都で行われた闘茶会の時のユニフォームだったそうです。
この日、配られた資料です。
「藤枝生活ガイドブック2023」と「TEA SEVEN」のパンフレットです。
前者は、フリーライターの仕事の紹介として、配らせていただきました。
「お茶のまち藤枝」のページ(P24/25)では、
藤枝のお茶や、「とんがりぼう」について説明しています。
「TEA SEVEN」のパンフレットには、
「TEA SEVEN」の紹介と「お茶ができるまで」について書かれています。
「茶農家と茶商の煎茶ができるまで」は、
煎茶ができるまでに行われる工程が、わかりやすくまとめられています。
そのいくつかの工程は、「TEA SEVEN」メンバーの似顔絵入りで、
親しみやすいパッケージになっています。
そのお茶と、「藤枝かおり」が皆さんに配られました。
このお茶たちは、蓮華寺池公園内の施設「とんがりぼう」で販売しています。
さて、中学生にとっては、
ずっと講義を聴くだけではつまらないかもしれないので、
後半は、実験をしま〜す。
用意されている「煎茶」、2つとも同じ茶葉です。
この茶葉を白い茶漉し(写真左)に、それぞれ入れます。
右の透明な容器には、お湯と水を入れます。
すでに、茶漉しからこぼれたお茶の粉が入っているのはご愛嬌。
そこに、茶葉の入っている茶漉しを浸します。
同じ茶葉をお湯と水に浸した時に、
抽出されるお茶の違いを確かめる実験です。
数分して、茶漉しを取り出します。
左がお湯で、右がお水です。
色の濃さも少し違いますね。
取り出した、茶葉の匂いとかも嗅いでもらいました。
そこで、お水の方のお茶を、スプーンで紙コップに注ぎます。
飲んで味わってもらいます。
お湯の方は、一旦急須に入れて、
それぞれのコップに注ぎます。
それでそのお茶を味わってもらいます。
お茶の味と香り、お湯と水の違いを実感してもらう。
お水の方は、あまり味がしない。
お湯のほうが、味が濃く、苦味もある。
お湯で抽出する方が、茶葉がしっかりと開いて、
お茶の成分がお茶によく出ている。
お茶の苦味を感じる成分は「カテキン」。
「カテキン」は、ポリフェノールの一種で、
抗酸化作用、抗ウィルス作用、抗がん作用、コレステロールを下げる作用、
血糖の上昇を抑える作用、殺菌作用・抗菌作用、
虫歯・口臭予防、肥満予防の効果などがあると言われています。
一方お茶の旨味を感じる成分は「テアニン」。
高級なお茶や、お茶を低い温度で淹れると味わうことができます。
この時のお水で淹れたお茶は、抽出時間が短かったので、
旨味成分までは感じられなかったかもしれません。
ですので、水で抽出したい時は、冷水ポットに水と煎茶を入れ、
前日から冷蔵庫で冷やしておくと、美味しい冷茶が楽しめます。
スプーンで注ぐのと、急須で注ぎ分けるの、どっちが楽?と考えると、
たくさんの湯呑みに、均等にお茶を注ぎ分けるのには、
「急須」という茶器がとても便利なものだと気付かされます。
藤枝では、「藤枝かおり」のペットボトルも販売していて、人気です。
この日の講座は、3年生・2年生・1年生の順で、
3回行われました。
最後は、皆さんに「振り返りシート」に感想などを書いてもらいました。
中学生の皆さんに、藤枝のお茶について、感じるところはあったでしょうか?
若い人たちのお茶離れが嘆かれているこの頃ですが、
こういう授業をやらせてもらえることで、
お茶を身近に感じてもらえたらいいですね。
そのためにお土産にしてもらった茶葉を、
生徒さんの各家庭で、急須でお茶淹れながら、
お茶談義をしてもらえたら、本当に良いと思います。
さらに「とんがりぼう」にも興味を持ってもらい、
足を運んでもらえたら、もっと色々なお茶があることに気づいてもらえる。
そんな藤枝のお茶業界にとっては、お茶に親しんでもらえる
種まきのような授業になっていると思いました。
各学年の先生方も見守ってくださいました。
明誠中学校の皆さん、ありがとうございました。
2023-07-15 23:29