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2021.1212(日)てのひらの演劇vol.2「舞え舞えかたつむり」@白子ノ劇場 [白子ノ劇場]

2021年12月12日(日)18:30、藤枝市の「白子名店街」です。

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衣料品の「トラヤ」さんの2階にあるのが、「白子ノ劇場」です。


この日、入口のご案内係は、フルさんこと、古市裕貴さんです。
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この日の演目は、こちら。
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別役実作「舞え舞えかたつむり」です。

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昭和27年、3月。
東京都足立区の荒川放水路で、男のバラバラ死体が発見された。
刑事が自宅を訪ねると、ひとりの女が、雛人形を飾って帰りを待っていた。
別役実が織りなす奇妙な会話劇を、
劇団「ユニークポイント」代表の「山田裕幸」さんが演出します。
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演出の山田裕幸さん。
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てのひらの演劇 vol.2「舞え舞えかたつむり」
2021年12月11日(土)・12日(日)・13日(月)
作:別役実
演出:山田裕幸
出演:春日井一平・ながいさやこ

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別役実さんも、不条理演劇も、あまり知識のないままに観ました。
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設定の説明が文字情報としてチカチカ出てくるのを読みながら、
女性が独白している様子も気になる。
どちらを観たらいいんだ?と戸惑いながら、
この状況を理解しようと努力するが、
男性が登場して、二人の噛み合わない話を聞いていると、
ますますわからなくなる…。
とはいえ、だんだんと、つまりはこういうことか?
というイメージができてきて…、切なくなる。

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*舞台の写真は、「白子ノ劇場」のtwitterから拝借しました。

家に帰ってから、「昭和27年 バラバラ事件」で検索したら、
「荒川放水路バラバラ殺人事件」で、たくさんの情報が出てきました。
ぱらぽんが生まれる前の事件なので、
その後名前等聞いたことはあったかもしれませんが、
認識していませんでした。
改めて、そういうことだったのか、と知りました。
作者の別役実さんが、この事件を戯曲になさったのが、
1978年(昭和53年)、29年後というわけです。

「図書新聞」No.3085 ・ 2012年11月10日で、
別役実さんが書かれた「私にとっての昭和」も読みました。
その記事は、こちら

別役実さんが、三面記事にその時代を感じて、
それをモチーフに戯曲を書く…。

なんでこんな辛い話を戯曲にして、上演するのか?
そんなことを考えていたら、
3年前の2018年、「白子ノ劇場」を立ち上げて間もない頃の
山田裕幸さんの言葉を思い出した。

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劇作家・演出家の山田裕幸さんは、
演劇では、リアリティは求めないと。
その内容をいいと思って書いていない。
(かなり辛い内容の話でも書くということ)
演劇は、訴えるのは仕事ではない。
では、何をするのか?
演劇の仕事は、一緒に考えること。
主人公の目線を一緒に追う。
他にどういう方法があるのか?
それを一緒に考える…。
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そのことを書いた記事は、こちら

この時は、戯曲「トリガー」を声に出して読むことで、
高齢化社会を考える「藤枝おんぱく2018」のプログラムでした。
このプログラムを終えて、救われない気持ちを抱えて帰ろうとした時、
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駐車場までの道のり、現役介護職の青年がぱらぽんに、
「僕らがもっとがんばって、そういう家族をなくしていかないと…。
 僕が、がんばりますんで!」
と、何度も繰り返して語ってくれたのが印象的でした。
その言葉に救われて、帰路につきました。
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そうか〜、演劇は、こうやって、
その時代を、社会を、他人事の事件や出来事を、
お芝居に置き換えることによって、
自分の身に起きたら…などと考えることによって、
自分ごととして考えて見るきっかけをくれるんだなあ、
と思い出しました。

まだ、先のことになるかもしれませんが、
今この「コロナ禍」のこの時代が、
戯曲に書かれる日が来るのでしょうね、きっと。

本当に、試されている。
毎日が、試されている日々なんだ、と感じます。

ぱらぽんが書いた「白子ノ劇場」の記事は、
こちらこちらで読めます。